整体の種類はどれほどあるのか
体が痛くなったり、姿勢が歪みだしているな、と感じ始めたら整体に行く人は多いでしょう。その時、あなたはどの整体を利用しているでしょうか?
私たちは整体と一括りにしてはいますが、それはあくまで総称です。世の中には様々なタイプの整体があって、しかもそれぞれが扱っている施術は少なからず違いますから、なんとなく通っている整体が実は自分の症状に合っていなかった、ということもありえます。そうしたことを防ぐためには、今世の中にある整体の種類を正確に見分けることが大切です。
今回は一般的によく知られている整体をいくつか紹介していきましょう。
一番歴史のある整体は?
そもそも整体という言葉は中国から伝来したものです。もっとも、中国語における整体はあくまでも体の理想像を表す言葉であって、日本語の体の歪みを整えるという意味はあまり含まれていません。日本において整体が今日使われているような意味に代わっていったのは、戦後になってからだとされています。
野口晴哉という人はもともと霊術師に弟子入りしていましたが、その修行の中で用いられている手技療術を、もっと一般に利用できないかと考えました。その結果生まれたのが野口整体という、今日でも広く用いられている施術法です。野口整体の特徴は体をもみほぐして痛みを取るだけでなく、患者の体の中に潜在している力も発揮してあげる、というところにあります。
中国にも整体はある?
先ほど整体という言葉は中国から来たもの、と紹介しました。整体という言葉こそ使わないものの、日本で行われるような手を使った施術法は中国でも行われています。
その一つが推拿です。これは中国では最も有名な治療法でして、民間レベルにとどまらず、医科大学にも推拿を専門に教える科目があります。日本でよく行われている整体は骨の歪みに着目し、それを整えることで症状を改善していくというものです。
一方、中国では骨ではなく筋膜の癒着に注目するのが特徴といえるでしょう。人間の筋肉というものは筋膜というものに覆われて保護されているのですが、激しい運動を行ったりするとこの筋膜が筋肉にくっついてしまいます。その結果体の動きが鈍くなったり、痛みを引き起こしてしまうのです。推拿はまずこの癒着をはがして患者の症状を改善していく施術といえるでしょう。
スポーツをしている人にはお勧めの整体
続いて紹介するのはスポーツ整体です。これはその名の通り、スポーツをすることによって負ったケガなどに有効な整体といえます。整体の中には資格を取らずとも開業できるものがありますが、スポーツ整体に関しては国家資格を取らなければ開業はできません。
スポーツと一口に言っても色々な競技があります。たとえば肘が痛い、という時にそれが野球をすることで生じた痛みなのか、それともテニスをすることで生じた痛みなのかによって施術法も変わってくるでしょう。その点、スポーツ整体に関しては主に13競技に対応しているため、メジャーなスポーツならばケースバイケースで対応できるのが特徴です。
その他、こちらの整体は科学的知見も導入しており、筋肉学に基づいた施術を行っているのも他の整体と違っています。人間の体がどのようなメカニズムで動いているのか、という観点から治療を行ってくれるので、術後ケガをしにくいフォームを探求するのにも最適な整体といえるでしょう。
アメリカから伝来した整体?
最後に紹介するのはカイロプラクティックです。厳密にいうとカイロプラクティックは整体には分類されないのですが、手を使った施術を行うので世間的には整体の一種と見られています。
カイロプラクティックはアメリカで生まれた施術法ですが、日本で行われている整体とは様々な点で違いがあります。たとえばカイロプラクターは初めの診断で、これまでの病歴を問うことがあります。体の歪みを整えるために病歴を問う、というのは不思議に思えるかもしれませんが、カイロプラクティックにとっては病気も骨格に影響を及ぼすと考えるのです。
続いて手による診断で脊椎や関節の歪みを判断し、治療に移っていきます。具体的な施術方法は骨を手の力で押していき、正しい方向へと導いていくというもので一般的な整体とそう違いはありません。
ただ、カイロプラクティックでは術後の生活も重視します。患者の生活習慣を見直し、どこかに体の歪みを起こす原因がないかをチェックしたうえで、総合的な治療に導いていくのがカイロプラクティックの方針なのです。
これまで紹介した整体でも体の中にある治癒力を高めて健康に導いていく、という施術は行っていましたが、カイロプラクティックのように患者の生活にまで踏み込んでいく治療法はなかなかありません。体の痛みや歪みだけでなく、生活習慣についても抜本的に変えていきたい、という方には特におすすめできる治療法です。もちろん他の整体を試すことも大事ですから、自分の症状とも相談しながら選んでいきましょう。
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