カイロプラクティックのはじまり
最近日本でもカイロプラクティックを受けられる場所が増えてきました。このことからカイロプラクティックは近年生まれたものだと思う方もいらっしゃるでしょうが、実は100年前にアメリカで生まれたものです。
創案者のダニエル・デビッド・パーマーはもともと磁気を使った治療を専門としていた人でしたが、カイロプラクティックの原型となる治療法を生み出したのはある偶然がきっかけでした。ある難聴の患者の背骨が隆起していることに気づいたパーマーは、それを手の力によって押し戻してみると、なんと耳の聞こえが良くなったのです。このことでパーマーは人間の体の不調は背骨にあるのではないか、と考え、様々な症状に対応できる治療を編み出そうとしました。
そして、長い時間をかけて体系化された治療法が今日のカイロプラクティックの基礎を作り上げる事となったのです。カイロプラクティックの技法はその後発展を遂げ、世界レベルの治療法となり、やがて日本にもやってきました。今日私たちがカイロプラクティックを受けられるようになった背景には、多くの人の努力が積み重ねられていたのです。
カイロプラクティックはどういう治療をするの?
創案者のパーマーが背骨を通して患者を治療したように、カイロプラクティックでは特に背骨を重視しています。背骨は体を支えるのに欠かせない骨ですから、ここが歪んでしまうと体全体に影響が出やすくなる、と考えるのがカイロプラクティックの基本方針です。
創案当初は背骨だけを診察していたカイロプラクティックではありましたが、発展を遂げるにつれて骨盤なども見るようになりました。人間の骨格は体を作るのに欠かせないものではありますが、歪んでしまうと神経をも圧迫してしまいかねません。神経は体中に張り巡らされているものですから、一見関係ない場所の歪みが遠い体の部位にまで影響を及ぼします。だからこそ、先ほどの事例のように背骨の歪みを治すことで難聴が治ることもあり得るのです。
また、背骨を矯正することのメリットはそれだけに限らず、リンパの流れを抑止たり、血流を良くしたりする効果もあります。とはいえ、体を切り開く手術をしたり、投薬を続けたりすることはありません。あくまでも施術師の手の力だけで患者の骨に圧力を掛けていくのがカイロプラクティックの手法です。患者の歪みを自然な力で正していくことによって無理なく治療へと至るのがカイロプラクティックの特徴と言えるでしょう。
カイロプラクティックは整体と何が違うの?
ここまで読んできて、整体のことを思い浮かべた人もいらっしゃるかもしれません。そして、カイロプラクティックとは整体の一種なのでは、と疑っている方もいるはずです。ですが、この二つの治療法は厳密に言うと違います。
整体もマッサージなどによって患者の体の痛みを取り除いていく施術法ではありますが、基本的には筋肉にアプローチしていくのが特徴です。筋肉の凝りをもみほぐすことによって血流が良くなり、結果として痛みが取れていく、というのが整体の目指すところと言えるでしょう。
それに対して、カイロプラクティックは先ほども述べたように背骨を中心的にアプローチしていきます。また、整体に取り扱えるのは筋肉痛や骨格の歪みであるのに対して、カイロプラクティックの応用範囲は広く、時に病気にも効果を発揮することがあるのです。
カイロプラクティックは長年の蓄積を経て医学的にも立証された方法ですから、病気へのアプローチという点でも信用が置けるようになっています。もしカイロプラクティックを受けるか、それとも整体を受けるかを悩んでいる方は、ご自身の体の状態を把握しながらどちらが適切かを見極めることが必要となるでしょう。
カイロプラクティックは術後も万全!
カイロプラクティックが特に優れているといえるのは、体の治癒力を高める効果があるところです。
たとえば体の歪みを治したところで、そもそもの筋肉が衰えてしまっていれば正しい姿勢を保つことはできず、また体は歪んでしまいかねません。カイロプラクティックはそうした点に着目し、体の欠陥を直していくだけではなく、患者自身の持っている治癒能力も合わせて元通りにしていくことを重視しています。
治癒能力がしっかりとしていればまた症状がぶり返して治療院に通う必要はなくなりますし、他の体の部位が弱る可能性も少なくなります。ですから、カイロプラクティックは治療後のアフターケアもしっかりとした治療法だということができるでしょう。
こうしたカイロプラクティックの効果を幅広く知られることによって、利用者も増えてきました。そうしたニーズに合わせてカイロプラクティックの資格を取る人も増えてきたので、全国で施術が受けられるようになってきています。どこの病院に行っても症状がよくならない、という時はもしかしたら背骨などに原因があるかもしれません。体を全体から見直す為に、一度カイロプラクティックを試してみる価値はあるでしょう。
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