凝ると生活に影響が及びやすい肩
年を取るにつれて肩こりに悩まされるようになってきた、という方はいらっしゃるはずです。肩こりはちょっとしたマッサージや治療薬を塗る程度では治りづらく、慢性化しやすいのが特徴です。そのうえ、私たちの日常的な動作は肩を通して行うことが多く、たとえば物を持つ際にも肩が凝っていたら痛みがやってきます。その他、デスクワークの際に肩の痛みを我慢しながらキーボードなどを打っている人もいらっしゃるでしょう。
こうした肩こりを治すためには、一時的な処置では足りません。根本的な部位にまで働きかけて治療をすることが大切になってきます。そのためには、まず肩こりが起こるメカニズムをしっかりと知りましょう。
肩こりの原因は血流の悪さ?
人間の体の中にはたくさんの血管が通っています。そこに血が流れることによって私たちの体は動けるようになるのですが、この血流の流れが悪くなったら動きは鈍くなってしまうのです。場所によっては動脈硬化を起こしてしまい、命にも影響を及ぼすようになります。そして、肩を通っている血管の巡りが悪くなってしまうことで起こるのが肩こりなのです。
では、そもそもなぜ血流は悪くなってしまうのでしょうか。一つは血管が圧迫されることです。たとえばスポーツなどで集中的に肩を使う人はそれだけ筋肉がこわばりやすくなり、血管も狭くなりやすくなります。それと同じように、デスクワークなどで一日中同じ姿勢を保ち続けている人は、肩の血管を常に圧迫しているといってもいいでしょう。
肩こりは慢性化しやすい!?
肩こりが起こる理由は血管にあるとわかりました。とはいえ、こうした原因をつかんだだけでは肩こりの治療には結び付きません。というのも肩こりは基本的に慢性化しやすいものであるため、ただ血管を見直せばいい、というものでもないからです。何より、肩こりは連鎖的に他の症状まで引き起こしてしまって、さらに血行を悪くしてしまう、という特徴があります。
まず肩こりによって血行が悪くなりますが、それによって筋肉は鬱血しやすくなります。鬱血が起こると血管中には老廃物がたまりやすくなって、余計血行が悪くなりやすいのです。また、肩こりによって生じるストレスもこの老廃物をためやすくなる原因の一つといえるでしょう。
肩こりの治療のためには、こうしたサイクルのすべてを見直す必要があるのであって、ただ単に肩を集中的に治療すればいいというものではないのです。
肩こりを引き起こしやすい生活習慣
肩こりを癒すために一番欠かせない対策は、その原因となる生活習慣の見直しです。先ほどデスクワークが原因となって肩こりが起こるという話をしましたが、具体的に言えば、首を傾ける姿勢が最大の原因として挙げられます。
人間の頭は実は非常に重く、よく使われる喩えでいえば、赤ちゃん一人分にあたる重量が常に肩にのしかかっているのです。もちろん、この重さは首を傾けるほど大きくなっていきます。パソコンの画面をのぞき込むように見ている方は多いでしょうが、あれも肩こりの原因となりやすいといえるでしょう。
その他、私たちの生活に欠かせないものとなっているスマホの影響も見逃せません。スマホを首を傾けないで見ている方は少ないでしょう。大抵の人がスマホを首を傾けながら見ていますが、そのせいか最近では若い人にも肩こりが増えてきています。こうした習慣を改善するためには、画面や椅子の角度を見直したり、スマホを使う時間を減らさなくてはいけません。
血圧も肩こりの原因に!?
その他の原因として挙げられるものとしては血圧があります。血圧は心臓から血を送り出すために力の度合いを示す数値ではありますが、血行にも大きな影響を及ぼすものです。
これまでは低血圧の人は肩こりに気を付けなければいけない、とよく言われていましたが、最近では高血圧も肩こりを引き起こすのではないか、という研究も出ています。
先ほどストレスが肩こりに起こす影響を紹介しましたが、ストレスは血圧にも影響を及ぼしやすいです。ストレスによって血圧が高くなってしまい、その結果血流が悪くなってしまって、肩こりを引き起こす、というメカニズムも見逃せないでしょう。
肩こりの治療は長期的な観点に立つことが大切!
このように肩こりは一つの原因によっておこるものではなく、日頃の暮らし方によって原因が積み重なって起きやすい症状です。これを癒すためにはじっくりと生活習慣を立て直すことが重要ですが、特に運動は効果的な対処法といえるでしょう。運動をすることによって血流はよくなりますし、ストレスも和らぎやすくなるため、肩こりの根本原因を正すことに役立ちやすいです。
とはいえ、慢性的な肩こりにはそうした対処法だけでは足りません。治療院などに行って受診し、効果的な施術を受けることが何よりも欠かせないのです。
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